1. Zoo Station
2. Even Better than the Real Thing
3. One
4. Until the End of the World
5. Who's Gonna Ride Your Wild Horses
6. So Cruel
7. The Fly
8. Mysterious Ways
9. Tryin' to Throw Your Arms Around the World
10. Ultra Violet (Light My Way)
11. Acrobat
12. Love is Blindness
U2がスターになったのは、1987年の「ヨシュア・トゥリー」でした。あの中で「信仰」について歌い、ボン・ジョヴィやREMと同じく他バンドより一段上の存在になり、特にアメリカでの地位を絶対のものとしました。次作「Rattle and Hum」では、アメリカのルーツミュージックへの接近を図り、B.B.キングとの競演や、ブルース調の曲を収録するなどして、さらに親アメリカの姿勢を見せました。

そして次にリリースしたのがこの「アクトゥン・ベイビー」で、U2に最も勢いがあった時期にリリースされた、いわば「問題作」です。デビューしてから前2作までは順調に進化を遂げていた彼らが、テクノやデジポップへの大きな接近を見せ、1曲目のイントロを聴いただけでリスナーが思わずひっくり返りそうな変化(進化?)を遂げています。あのアメリカへの接近はどこへ行ったの?てかやればできるじゃんU2!路線が変わってもこの内容なら納得だぜ!

U2のデジロック路線はこの後の2作まで続き、結局10年の間彼らはその中で創作を行います。途中で映画「バットマン・フォーエヴァー」の主題歌を歌ったり、「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲を担当したりしても、それはデジロック路線内での出来事であり、90年代は一貫してその路線を貫きました。2000年に発表した「All that You can't Leave Behind」で王道ロックに戻りますが、要するに90年代はU2は10年間に渡り実験(的音楽)に徹していたというわけです。(※忠告すると、あのデジロック時代の3部作のうち、「ZOOROPA」は特に特殊で実験的な作品ですから、初めてU2を聴くなら避けましょう、マジで)

1曲目の"Zoo Station"から、まさに「吸い込まれるように」楽曲は進み、途中で"One"のような売れ線バラードを挟みながら、緩急をつけて最後まで流れるU2渾身のデジロック、このアルバムを聴いて何かが弾けた、そんな印象を持っても不思議は無い!ミュージシャンとしてまさに脂の乗った絶頂期だった彼らが作り上げた、限りなく90年代の最高の一作。実験精神と楽曲のキャッチーさが両立した、デジロック中最高の一作でもあります。特に後半の内容は最高で、曲名を忘れてしまうほどに良い、っていうか曲名を覚えようと思わないほど、視聴に集中している自分がいます。

ちなみにこのアルバムからの先行シングルは、7曲目の"The Fly"でした。聴いてても「え、どれが7曲目だっけ」と思ってしまうほど目立たない曲ですが、それを最初のシングルカットにするセンス、流石です。僕が一番好きなのは"Who's Gonna Ride Your Wild Horses"です。ドラマティックに歌い上げるボノの歌声がたまらない!最後は"Love is Blindness"ですが、悲しく切なく歌うボノもいい。

とにかくこれはデジロック史上最高の1枚(の一つ)です。U2の全タイトルから最初に聴くべきはどれか、と問われたら、これを挙げてもおかしくない。U2の全アルバム中最も実験的で、キャッチーで、力強く切ない、このアクトゥン・ベイビーにはそんな要素が溢れています。必聴!!