パンクと言うと日本ではセックス・ピストルズのイメージが非常に強く、サウンドも尖った物が好まれるようですが、やっぱりパンクの王者と言ったらクラッシュでしょう。当時レコード2枚組として製作され、金が無いリスナーのことを考えて1枚分の値段でリリースされたこの一枚、セックス・ピストルズの「Never Mind the Bollocks」(勝手にしやがれ!)と並んでパンク(≠ロンドンパンク)の永遠の金字塔です。
アルバムを重ねる毎に音楽的な多様性が増していき、本作ではレゲエやスカ、ジャズやファンク等の要素も吸収しいろいろ実験的なこともやっています。ピストルズなんかは音楽的にも尖っていて「いかにもパンクだなあ」と思いますが、本作は今聴くと普遍的なGENERAL ROCKという感じがします。
パンク四天王と言ったら、確かクラッシュ・ジャム・ピストルズ・ダムドだったように思いますが、結局この中でクラッシュはアメリカでも成功を収めました。5作目の「Combat Rock」はUSチャートでもTOP10入りし、"Rock the Casbah"(湾岸戦争時に現地のラジオで最初にオンエアされた曲)はシングルチャートでもTOP10入りしました。しかしクラッシュの最高傑作は誰がどう考えても本作だし、それは世界中の人々が認めることです。
今考えると、これだけいろんな要素を取り入れて実験的なことをやったりしているのはミクスチャーの走りだったと言っても過言ではないような気がします。アティテュードも音楽性も正にパンクそのもの。
ジョー・ストラマーが数年前に亡くなりましたが、ちょうどその頃に公開された映画「007:ダイ・アナザー・デイ」で"London Calling"が使われましたが不思議な因縁です。そしてローリング・ストーン誌が「80年代の最高傑作」に選んだのが本作ですが、リリースされたのは79年。それでも選ばれてしまうのは流石です。
この次の作品「SANDINISTA!」では、ニカラグアのサンディニスタ政権支持の姿勢を打ち出しましたが、ジョーは後年「あれ(コミュニズム支持)は若気の至りだった」と述べています。そんな若さに溢れたクラッシュも素敵です。無知と欲望こそ進化への意志の源!
正直昨今のパンクと呼ばれるものはどこがパンクなのかよくわからないですが、本作は(ロンドン)パンク・ムーブメント真っ只中の、正に本当のパンクです。音楽的に普遍性がある分今後も長く愛聴されるでしょう。ジャケットもカッコいいし。


