20世紀末、メタル文化は壊滅的な状況となり時代は新たなヒーローを求めていた。そんな中、モダン・ヘヴィネス的なサウンドを引っさげ、シーンに颯爽と現れた脅威の新人、それがリンキン・パークであった…。
てな感じで前世紀の最終年に突如現れ、特大のヒットを飛ばし一躍時代の寵児となったバンドがリンキン・パークです。このアルバムは彼らのデビュー作にもかかわらず発売以来長期間に渡りチャートの上位に居座り続け、1500万枚以上のセールスを上げました。確か1000万枚売れた最後のアルバムはこれだったはずです。
僕は80年代メタルが好きなのですが、メタル原理主義者の中には(というかほとんどの人が、そしてバンドの当人たちも)、彼らはメタルではない、という捉え方をしています。まあファッションもメタルじゃないし、音楽的にも疾走感のあるようなメタルナンバーはありません。
しかし!僕はあえて言います。彼らはメタルであると。彼らこそは80年代メタルを吸収し、90年代のニューメタルやグランジを通過してきて生まれた、新しい時代のメタルなのです。現にこのサウンドがもし90年代初頭に出現していたら、BURRN!誌なども取り上げたでしょうし(今読んでないから取り上げてるのかどうか知らんけど)、皆メタルだと見なしていたでしょう。つまらないジャンルの拘りは捨てて、素直に認めようではありませんか…彼らこそがメタル界の救世主であると。「メタルを昔聴いてた奴らが素直じゃないメタルを演ってる」という風に思えば、「少し変わってるけどメタルはメタルだよね」と素直に思えるのだから。「ヘヴィロック」「モダンヘヴィネス」「ポストグランジ」とかわけわからんしめんどくさいし、全部「HR/HM」でいいじゃないか!!
サウンドは叙情感のある非常にメロディアスなもので、基本的にラップメタルですがメロディラインが美しく、そしてこの上なくヘヴィ。よく聴いてみるとかなり作り込んだサウンドであることがわかります。「哀愁漂う美しいメロディの繊細なヘヴィロック」と言えばわかり易いか?
捨て曲も一切無く一曲目からボーナストラックまで最高の楽曲が詰め込まれており、曲順も聴いた後の余韻もとても良い。個人的には全てのアルバムの中で十指に入る位の歴史的傑作だと思います。「繊細なティーンエイジャーが雨の日や黄昏時に聴きたい一枚」と個人的に一行句を付けておきます。:-)


