1980年代のLAメタル勢の中でも最も批評家から酷評されたバンドとして記憶に残るポイズンですが、その人気はトップクラスでした。アルバムは1stから3rdまでビルボードで3位、2位、2位で、シングルヒットもTOP10入りした曲が多数ありました。酷評された理由というのが「演奏が下手」「見た目が派手」ということで、音楽性以外のところで叩かれた訳ですが、それを物ともせずに「音楽性」で人気を得ていたのがポイズンです。
ポイズンの人気の理由はその「楽曲の良さ」で、とにかく耳に残るキャッチーで明るい楽しい曲を作る、ということを身上にしていました。彼らのソングライティングのセンスは天才的で、メタルというよりハードポップと言うべきかもしれませんが、とにかく「良い曲を作る」という点では飛びぬけた才能を発揮していました。PVを観てもとにかく「明るく楽しい良い曲」であることが伝わってきます。
本作は彼らの3rdで、1stと2ndがやや荒削りでチープな印象を与えるのに対しずっと進化した出来となっていて、前二作よりも厚みのあるよりメタル然としたサウンドになっています。もちろん音質も向上しています。散々演奏面での未熟さを指摘されたからか、ギターのCCデヴィルのソロパートは幾分長めになっており、前二作よりも弾きまくっています。当時メタル界には凄腕のギタリストが大勢いたのでどうしてもギターテク的には物足りなさを感じてしまいますが、それでもヘタウマなりに一生懸命弾いているのが伝わってきます。ちなみにプロデューサーは故ブルース・フェアバーンです。
当時は「俺たちのルーツはブルースだ」と言うのが大流行りで、例に漏れず本作にも"Poor Boy Blues"なんて曲が収録されています(笑)。また1st、2ndもそうでしたがジャケットのセンスの悪さも天才的です。ここまで酷いジャケットは後にも先にも無いでしょう。しかしそういう欠点を笑って許せるほど素晴らしい楽曲群はさすがで、前二作にあった捨て曲を本作では感じさせません。バラードの作り方、アップテンポな曲のキャッチーさなど、正にポイズンの面目躍如という感じで、LAメタル最高のソングライティングセンスは健在です。特に"Life Loves a Tragedy"は彼らの曲の中では異彩を放つ哀愁漂うロックナンバーですが、このバンドの才能がそこに明確に現れていると言ってよい本当に素晴らしい曲で、シングルカットはされませんでしたが、ファンの間でも大変人気の高い曲です。
次作から時代の流れもあり売れなくなってしまいましたが、80年代メタルを語る上で絶対に欠かせないバンドと言えるポイズン、そのエッセンスはベスト盤でも堪能できます。彼らはシングルヒットが非常に多いので、それらを網羅した96年のベストがオススメです。当時のポップメタルの真髄を知りたい人は、是非!


