これも80年代後期のメタルの好盤の一つ。当時星の数ほど現れた好メタルバンドの一つ、ホワイト・ライオンの2ndです。
いわゆる「アメリカン・メロディアス・ハード」の括りの中に入るサウンドで、他のバンドに比べ割とウェット感があるというか、湿り気のある哀愁漂うサウンドを特徴としています。全米シングルチャートで"Wait"が8位、"When the Children Cry"が3位、"Tell Me"が58位と健闘し、アルバム自体も11位まで上昇しました。
特筆すべきはギターのヴィト・ブラッタで、当時ギターヒーローの一人だったこともあり、テクニック的には申し分の無いところを見せてくれます。80年代の中堅メタルバンドのギタリストには彼のような凄腕のギタリストがしばしば在籍していました。ジョージ・リンチとかヌーノ・ベッテンコートとか高崎晃とかその他諸々…。
そんなわけでサウンドのクオリティは非常に高く、ボン・ジョヴィほど産業ロック風ではなくゴリゴリのメタルサウンドでもなく、「哀愁漂う普遍的なハードなロックンロール」という感じで、特に"Wait"は今聴いても非常にカッコいい曲です。コーラスを多用しているところなども80年代らしくて◎。
"When the Children Cry"はお決まりのロック(ロッカ)・バラードですが、当時メタルバンドの成功の可否を決めると言っても過言ではなかったのがバラードの出来です。当時はどのメタルアルバムを聴いても必ず一曲は気合の入ったバラードが収録されていて、バラードで人気の出るバンドがたくさんいました。ウォレントとかファイアハウスとかテスラとかその他諸々…。こういう中堅メタルバンドが「バラードで一発当てて一気に知名度を高める」というのは当時のお約束で、「バラード(一曲)しかヒットしなかった」バンドもやっぱりたくさんいました。ファスター・プッシーキャットとかL.A. GUNSとかキックスとかその他諸々…。この手のHR/HMバラード(パワーバラード?)は当時のシーンの象徴みたいなものでした。ああ懐かしい…。
彼らもまたバラードで人気を得たバンドの一つでしたが、バラード以外の曲も大変良いので、80年代メタルの復習には欠かせない一枚と言えるでしょう。
ちなみに「中堅メタルバンド」とは言っても、当時それらのバンドは皆100~200万枚はアルバムを売ってたわけで、今考えると中堅でそれだけ売れた時代ってのはやっぱり凄かったんだなーと感無量です。


