最近では北欧は良質なメタルの産地として名を馳せているそうですが、当時(80年代末期)はまだまだ北欧出身のメタルバンドは少数派で、ヨーロッパが大成功を収めて注目されるようになった頃でした。ノルウェーというとA-haを輩出した国ですが、そのノルウェーから飛び出したHR/HMバンドがTNTです。
TNTは結局アメリカでは大きな成功を収めることはできませんでしたが、本作「Intuition」は数ある80年代メタルアルバムの中でも最も透明感のある美しい旋律を聴かせてくれるアルバムで、全米チャートでは100位くらいまで上昇しました。北欧のメタルというと、やはり(オッサン的見地からすると)「美旋律」ということが挙げられると思いますが、本作は正にそれを地で行く路線で、ギター・コーラス・キーボードが奏でる美しいハーモニーが存分に味わえます。
北欧メタル最大のヒット作:EUROPEの「THE FINAL COUNTDOWN」がやや産業ロック的なアプローチを持っているのに比べ本作はもっと正統派メタルの香りがするもので、美旋律メタルという点でもこちらの方が上で「いかにも80年代」という感じがする耳に心地良いものです。
特にタイトルトラックの"Intuition"はHR/HM界に燦然と輝く名曲で、正に奇跡の神曲!これを超える(80年代メタルの)名曲は探すのが難しい、というくらいのある意味完璧な曲です。
本作は80年代美旋律メタルを代表する一枚であり、80年代メタルのブームから生まれた北欧の奇跡と言えます。「北欧メタル=美旋律」というイメージが定着したのはひとえにTNTとEUROPAの大きな功績だと個人的には勝手に思ってます。
この後のTNTは解散・再結成を経て最近またニューアルバムをリリースしたそうです。一時はグランジ寄りの音作りをしてファン離れを起こしたそうですが、現在はどうなってるんだろうか?こういう80年代メタルの残党の現在というのも興味深いですね。かつてアクセルがマイケル・モンローをリバイバルさせたみたいに「俺たちは彼らを聴いて育ったんだ!」と言ってくれるかつてのキッズがいれば或いは…?


