80年代後半はメタルブームで数々のバンドが名作を発表しました。今では考えられませんが、HR/HMバンドのアルバム・シングルが毎月毎週大量にTOP10入りし、時代はメタルを中心に動いていたと言っても過言ではありませんでした。
このシンデレラの2ndもそんな一枚です。ボン・ジョヴィの弟分としてデビューし1stから大きな成功を収めたシンデレラですが、リッチー・サンボラが「ジューダス・プリーストのヘヴィネスとエアロスミスのロックンロールを併せ持ったバンド」と称したように当初はかなりヘヴィな曲調でした。しかしこの2ndからはリーダーのトム・キーファーの趣味が前面に出てきて、ブルース色が多少強く感じられるアルバムになっています。トムのブルース好きは有名で、3rdになると更にブルース色が強い作品をリリースしますが、この2ndはわりとバランスの取れた構成になっています。
"Last Mile"のようにコーラスを多用したキャッチーな曲や"Don't Know What You Got"のような泣きのバラードも素晴らしいですが、"Gypsy Road"、"Take Me Back"のような普遍的なアメリカンロック調の曲も良曲です。ただ2、3曲ほどもろにブルース調の曲があり、それがちょっと違和感というか邪魔に感じます(僕は)。全編を通して聴くとその曲だけ取って付けたような感じがし、トムの趣味なのでしょうが、全編をHR/HMで統一してほしかったと思います。
トムのヴォーカルは典型的なダミ声で好き嫌いが分かれるでしょうが大変個性的です。シンガー兼ギタリスト兼ソングライターでピアノも弾いてたみたいなので、相当な才能の持ち主だったんだろうと思います。こういう人が自己を追求して趣味的な方向へ行ってしまうのはある意味仕方のないこと。
当時彼らに影響されてHR/HMバンドが皆「俺たちのルーツはブルースだ」と言い出し、ポイズンまでが「Poor Boy Blues」なんて曲を発表してました。そういう意味ではかなり影響力のあったバンドなのかも?


