ゲームはレシプロシム同様、純粋なドッグファイトを楽しむものです。この時代の戦闘機はまだレーダーなどの装備やミサイルは無く、第二次大戦同様機銃によって敵機を撃ち落すものでした。レシプロ機からジェット機への過渡期に当たる時代であり、パイロットは敵機を目で追いかけ機銃を撃ち込んで撃ち落とさなければなりませんでした。また歴史上初めてジェット機同士の空中戦が行われた舞台でもありました。そういった特徴のある戦場を再現したのがこのシムです。
ゲームモードはクイックミッションとキャンペーンがあります。このゲームのキャンペーンは他のゲームのようにただミッションをこなしていくだけというものではなく、自分で作戦を立てて部隊を運用するSLG的な要素の強いものです。朝鮮半島のマップを見ながら、どこにどの部隊を出撃させ、どの武装でどの施設を攻撃させ…ということを自分で決めていきます。プレイヤーは出撃する部隊のどれかに入りパイロットとして作戦をこなさねばならず、対空戦闘の場合もあれば対地攻撃の場合もあります。僕は未だにキャンペーンを終了させていないのですが、こうした形のキャンペーンは非常にやりがいがあると思います。

作戦立案画面
フライトモデルは非常に良く出来ています。空気を捉えている感じがあり、無理な機首上げをするとスピンします。旋回中は機体がきしむ音が聞こえ大きなGがかかり過ぎると翼が折れることもあります。またエンジン後流の影響やエンジンのフレイムアウトなども再現されています。当時のジェット機の特性が非常に高いレベルで再現されており、フライトモデルに関してはIL-2に次ぐ完成度だと思います。
このゲームはフラップが一段階しかない(「開く」と「閉じる」だけ)のですが、フラップとエアブレーキが非常に大きな制動力を持っています。ドッグファイトで勝つためにはこの二つを上手く使うことが必要となります。また高度を利用することも重要なのは当然です。
そして最も特筆すべき点は敵機のAIでしょう。このゲームのAIは僕がプレイしたフライトシムの中で一番手強い。こちらが攻撃を仕掛けるとまるで人間のように生々しい回避行動をとり、またしつこく追いかけると実はそれは囮(おとり)で後ろから別の敵機に攻撃を受けたり…とオフラインでも全く不満無く遊べます(といっても誰もオンラインでプレイしてないけど)。また味方部隊と敵部隊が数十機入り乱れて乱戦を繰り広げるのは迫力があり、空中戦の臨場感は非常に高いです。
ちなみに囮で誘って別の機体が攻撃を仕掛けるというのは実際に北朝鮮軍が使った戦法だそうです。そういったことまで再現されているあたり、このゲームのAIの優秀さが伺えます。
ただこのゲームの欠点として「グラフィックが悪い」ことが挙げられます。フォトリアリスティックではなく絵画的なグラフィックですが、非常にど~んよりとしており、森などもよく見ると箱の形をしています。解像度を1600x1200にしてもベースとなるグラフィックそのものが悪く、どんより感は変わりません。ある意味とても「見栄えの悪い」ソフトです。ゲームとしての完成度が高いだけにこれはもったいないところです。しかしこのどんより感も、考え方を変えれば戦場という場所の雰囲気をよく表していると言えないこともないし、戦争映画のようなBGMがバックに流れているのを聴くと結構気分はノってきます。無線もうるさいくらい頻繁に入ってきてゲームを盛り上げてくれます。
付け加えるとダメージモデルに関してはイマイチです。一応部位ダメージ制ではあるのですがIL-2のように精密なものではなく、機体に当てればいいという感じなので、大雑把な射撃でも何とかなってしまうところがあります。これもちょっと残念です。
ちなみに僕はこのゲームの完全日本語版を買ったのですが、CDレスで起動してくれるのは大変いいことだと思います。いちいちCD入れるのめんどくさいですからね。動作も非常に軽いです。けどやや不安定で、気がつくとデスクトップまで脱出していることがあります。
またWindowsXPだとジョイスティックが利かないという欠点がありますが、下記のURLからそれを解消するパッチがDLできます。
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